人事制度はいつ導入すればいいの?

19年1月5日

企業が成長すると従業員数が増加していきます。
あるいは、売上を上げるために先行投資として従業員を増やすケースもある
でしょう。

従業員増加に伴い役職を設ける、客観的評価を行う仕組みを作る、賃金設計
を行う等々段階ごとに人事の方針を決定していることが求められます。

なぜ、人事の仕組みづくりは人員数に伴い変えていくのか?
その理由は「人の認知限界」にあります。

認知限界とは、人の認知能力や情報処理能力の限界のことを言います。

人間は、この認知限界ゆえに、世界の複雑性を縮減する必要がある。そのため
の社会的装置が『組織』である。組織という階層構造を形成することで、意思
決定の複雑さをモジュール化し、それによって、個々人では実現できない高度
な意思決定を行う。【ノーベル経済学賞 ハーバード・サイモン】

従業員数が2人の会社で役職手当を設けたり、組織図・人材フローやポートフ
ォリオを考えずに雰囲気で人事評価制度を導入する事は、得策とは言えないば
かりか、モティベーションの低下まで引き起こしてしまう恐れがあります。

何事もなぜ行うのか?といった明確な目的や根拠がなければ効果的とは言えま
せん。

イギリスの経営学者アーウィックによれば、組織におけるマネジメントに認知
限界は5人~7人て程度なのだそうです。

1人の上司(社長)が、直接管理できる人数は5人~7人程度。
最も合理的なチームである軍隊の最小単位も5人~7人と言われています。

大切なことですので繰り返します。
一般的な人がマネジメントできる人数は6人前後なのです。

社長+従業員が6人以下なら、社長が自ら全体を見て、判断し、むやみに制度
化せずに、直接指導し評価を行うのです。
説得材料として、社長の作成した評価や課題をを文書化するか?普段から口頭
で周知を行った方がスピーディーかつ効果的なのです。

6人を超えそうな頃から主任等役職者を育成配置し、「権限移譲」を行って行
く事により、組織の土台が形成されていきます。

ステップ1:創業者のリーダーシップによる、リアルタイムな指導が6人まで
の組織

ステップ2:管理職が必要となり、マニュアル化や人事のルールに基づいて組
織管理を始めるのが、6人~36人(管理職1人に対して6人の
部下が6個まで)の組織となっていきます。

ステップ3以降はまたの機会にご紹介させていただくとして、ステップ1では
まず、社長が直接的に部下と関わりリーダーシップを発揮しつつ、直観的な評
価をツール等を使って客観的に説明できるように準備することから初めてみて
はいかがでしょうか?

効果的な、組織の基礎工事となるかと思います。

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